本文へスキップ
ラクゼイ ラクゼイ 税理士業務自動化支援

業務自動化

生前対策・相続税対策×AIで顧問先への提案資料を作成する方法

ラクゼイ編集部 約8分で読めます

お役立ち資料:「AIで記帳が自動化できる」の落とし穴(PDF) →

生前対策や相続税対策の提案は、顧問先の資産状況の把握、試算、複数案の比較、説明資料の作成と、工程が多い業務です。生前対策 相続税 AI の活用で最も効果が出やすいのは、試算そのものではなく、資料化と説明文の下書きの部分です。計算と判断は税理士が握り、AIは整理・文章化・シナリオ比較の叩き台に使うと、品質を落とさずに提案の本数を増やせます。

本記事では、提案資料づくりの工程分解、AIに任せる範囲と任せない範囲、守秘義務への配慮、検証手順を整理します。

生前対策 相続税 AI の活用領域|提案資料づくりの工程を分解する

生前対策 相続税 AI とは、資産の整理、シナリオ比較、説明文の作成といった生前対策提案の周辺業務に生成AIを組み込み、税理士の判断工程に時間を回せるようにする運用のことです。

提案資料は次の5工程に分けられます。

  1. 資産・家族構成のヒアリングと整理
  2. 相続税額の概算試算(現状評価)
  3. 対策シナリオの設計(暦年贈与、精算課税、生命保険、不動産、法人活用など)
  4. シナリオごとの効果と留意点の比較
  5. 顧問先向けの説明資料化

このうち、AIが特に力を発揮するのは1・4・5です。たとえば顧問先30社のうち5社に相続の関心がある事務所では、1社あたり提案資料に半日かけると2日半が必要になります。ヒアリングメモの構造化と説明文の下書きをAIに任せるだけでも、資料化の負担は大きく減ります。一方、2と3の数値と適用判断は、税理士が根拠条文と照合して確定させる工程として残します。

提案資料づくりで、AIに任せる範囲と任せない範囲

生前対策の提案資料における役割分担とは、AIの出力を「下書き」、税理士の確認を「確定」として明確に分け、誤りが顧問先に届かない運用にすることです。

任せやすい業務

  • 面談メモ、録音の文字起こしからの家族構成・資産一覧の整理(表形式化)
  • シナリオ比較表の文章部分(メリット・デメリット・留意点の整理)
  • 顧問先に渡す説明文のやさしい言い換え
  • 想定質問と回答案の作成
  • 提案後のフォローアップメールの下書き

税理士が必ず確定させる業務

  • 財産評価(土地、非上場株式など)と税額の計算
  • 贈与の持ち戻し加算、小規模宅地等の特例などの適用可否
  • 対策の採否の判断、リスク説明
  • 最終的な提案書の内容

AIは条文の細かな要件や数値を取り違えることがあります。持ち戻し期間のように改正を経た制度は特に注意が必要で、出力をそのまま資料に載せる運用は避けるべきです。検証の型はAIの出力をダブルチェックする運用やハルシネーション対策の記事でも整理しています。

最新動向|令和8年度税制改正と生前贈与ルールの確認ポイント

生前対策の提案では、制度の最新状態を前提にすることが欠かせません。令和8年度(2026年度)税制改正大綱(2025年12月公表)に関する各種解説では、相続税の基礎控除や税率といった大枠に変更はない一方、相続開始前5年以内に取得または新築した貸付用不動産について、通常の取引価額に相当する金額で評価する見直しが示されています。不動産を使った節税提案では、評価の前提が変わる点を必ず確認してください。

あわせて、令和5年度改正で整備された贈与関連の制度も、提案の定番です。

  • 生前贈与加算の対象期間が、2024年1月1日以降の贈与から段階的に7年へ延長されている
  • 延長された4年分については、総額100万円までは加算されない
  • 相続時精算課税に年110万円の基礎控除が設けられている

これらは提案資料で頻繁に引用される内容です。AIに質問する際は、制度名・適用開始時期・根拠を含めて指示し、出力された数字は国税庁のタックスアンサーや法令で必ず突合してください。改正点の確認自体にAIを使うこと自体は有効ですが、確認の最終ソースは一次情報に置きます。

守秘義務を守りながら、AIで提案資料を作る手順

相続の提案資料で扱う情報は、資産額、親族関係、遺言の意向など、秘匿性が非常に高いものです。税理士法第38条は税理士に守秘義務を課しており、AI利用でもこの前提は変わりません。

実務で取りうる対策は次のとおりです。

  • 匿名化してから入力する:氏名を「A氏」「長男」等に置き換え、資産額も必要な範囲に丸める
  • 学習利用されない設定のサービスを選ぶ:入力データを学習に使わない契約・設定を確認する(オプトアウトの考え方)
  • 利用ルールを文書化する:入力してよい情報、禁止する情報、出力の確認者を所内規程にする(AI利用ガイドライン)
  • 顧問先への説明:AIを補助的に利用する旨を、契約書や案内で伝えておく

顧問先の実名や詳細な資産明細を、無料の一般向けAIにそのまま貼り付ける運用は、漏えいリスクが残るため避けてください。安全面の全体像はセキュリティの記事に整理しています。

運用フローと導入の進め方|小さく始めて型にする

提案資料づくりの自動化は、次の順で段階的に進めると定着しやすくなります。

ステップ1:テンプレートを固める(1〜2週間) 提案書の構成(現状分析、課題、対策案A/B/C、比較、留意点、次のアクション)を事務所の標準形にします。AIへの指示文(プロンプト)も、この構成に沿って作成します。

ステップ2:1〜2件で試行する 過去に提案した案件の匿名化データで試し、所要時間と修正量を測ります。資料化の時間が半分程度になるかが一つの目安です。

ステップ3:検証チェックリストを用意する 制度名、適用時期、数値、根拠条文、顧問先固有の事情の反映漏れを、確認者が項目ごとにチェックする形式にします。

ステップ4:横展開する 贈与税の申告(贈与税申告のAI活用)や、相続税申告の効率化と同じ情報基盤につなぐと、提案から申告までのデータ再入力が減ります。

ラクゼイで支援した事務所では、提案の型を先に決めたうえでAIを組み込むことで、担当者ごとの資料の品質差を抑えやすくなったという声があります。

よくある質問

生前対策の相続税試算をAIにそのまま任せてよいですか。

おすすめしません。財産評価や特例の適用判断は、個別事情と最新の法令に依存します。AIは試算結果の叩き台や説明文の下書きに使い、税額と適用可否は税理士が根拠条文と照らして確定させてください。

顧問先の資産情報をAIに入力しても守秘義務に問題はありませんか。

税理士法第38条の守秘義務は、AI利用時にも及びます。氏名・資産額の匿名化、学習に使われない設定のサービス選定、所内ルールの整備を組み合わせてリスクを下げ、残るリスクも把握したうえで運用することが前提です。

小規模な事務所でも導入効果はありますか。

あります。相続案件が年間数件でも、提案資料や顧問先向け説明文の作成は毎回発生します。テンプレートとプロンプトを一度整えれば、少人数でも再利用でき、所長の時間を判断業務に回しやすくなります。

改正が多い制度の情報は、AIでどう確認すればよいですか。

AIの回答は最新の改正を反映していないことがあります。制度名や適用開始時期を指定して概要を整理させつつ、最終確認は国税庁の公表資料や法令で行う二段構えが安全です。

まとめ|生前対策の提案は「下書きをAI、確定を税理士」で量と質を両立する

生前対策 相続税 AI の活用は、試算や判断を代替するものではなく、ヒアリング整理・比較表・説明文という資料化の負担を減らす取り組みです。守秘義務への配慮と検証手順をセットにして、提案の型を固めることで、限られた人員でも提案の機会を広げられます。

ラクゼイでは、税理士事務所専用に設計したAI導入伴走を提供しています。仕訳業務・月次レポート作成・顧問先対応の自動化に関心がある場合は、無料相談 または 画面サンプル をご覧ください。

お役立ち資料(無料)

「AIで記帳が自動化できる」の落とし穴(PDF)

マネーフォワードの自動仕訳では埋まらない、記帳代行の3つの穴とその埋め方を解説。

ラクゼイは税理士事務所の仕訳・月次レポート・日報を自動化するサービスです。守秘義務を守りつつ業務を自動化し、増員ゼロで顧問先キャパシティを2倍にします。

タグ

生前対策 相続税 提案資料 業務自動化

関連記事