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マネーフォワードが資金繰りAI予測機能を提供開始|税理士事務所への影響と対応

ラクゼイ編集部 約7分で読めます

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株式会社マネーフォワードは2026年9月17日、『マネーフォワード クラウド会計』『マネーフォワード クラウド確定申告』において、将来の口座残高推移を可視化する「資金繰り(β)」機能の提供を開始したと発表しました。マネーフォワード 資金繰り AI機能は、預金残高データと請求書等の業務データを組み合わせ、最大3ヶ月先までの入出金予測をグラフ化するものです。本稿では発表内容を整理し、税理士事務所が顧問先支援やツール選定でどう対応すべきかを解説します。

マネーフォワード 資金繰り AI「資金繰り(β)」機能とは

マネーフォワード 資金繰り AIとは、株式会社マネーフォワードが2026年9月17日11時に発表した新機能で、銀行口座の預金残高データと『マネーフォワード クラウド請求書』などの日常的な業務データを掛け合わせ、将来の口座残高推移や入出金予定を自動でマッピング・可視化する仕組みです(出典:マネーフォワード プレスリリース、2026年9月17日、PR TIMES掲載)。対象製品は『マネーフォワード クラウド会計』『マネーフォワード クラウド確定申告』で、中小企業の経営者・経理担当者を主な利用者として想定しています。

最大の特徴は、資金繰り表を別途手作業で作らなくても、既存の会計・請求データから自動で将来予測がグラフ表示される点です。加えて、残高が一定水準を下回る見込みが立った際に知らせるアラート機能も備えているとされています。現時点では「β」を冠したリリースであり、価格・提供条件・正式版の時期については発表時点で明記されていません。

発表の詳細|対象製品・機能内容・対象ユーザー

発表の詳細を整理すると、今回のリリースは既存の会計ソフト機能に資金繰り予測を組み込む形での提供です。従来、資金繰り予測はfreee資金繰り予測やMFクラウド資金繰りのような専用機能・別プランとして提供されるケースが多く、会計処理と資金繰り予測が別々のツール・画面で管理される事務所も少なくありませんでした。今回のβ機能は、日常的に使う会計・請求書データがそのまま予測の入力元になる設計のため、別途データを転記する手間が発生しにくい点が実務上の変化点です。

ただし、注意すべき点もあります。AIによる資金繰り予測はあくまで会計・請求データから機械的に導出した見込み値であり、季節変動要因や臨時の大口取引、融資実行予定などを予測モデルが十分に織り込めているとは限りません。日本政策金融公庫をはじめとする金融機関に提出する資金繰り表は、依然として金融機関側が見慣れた様式に加工し、税理士が内容を確認したうえで提出することが実務上望ましい対応です。

税理士事務所の実務への意味

税理士事務所の実務への意味とは、顧問先の資金繰り相談への対応スピードと精度が、会計ソフト側の機能拡張によって底上げされる可能性がある、という点です。これまで資金繰り表の作成支援は、税理士事務所が独自にExcelテンプレートやAIプロンプトを組んで対応する、いわば付加価値業務の一つでした。会計ソフト側にAIによる予測機能が標準搭載されることで、「予測グラフを作る」という作業自体の希少性は相対的に下がっていきます。

一方で、これは税理士の役割が減ることを意味しません。予測データをどう解釈し、資金ショートの予兆にどう対処するか、金融機関への説明資料としてどう加工するかという助言業務は引き続き税理士に求められます。むしろ、予測作成の手間が減った分、資金繰りの相談件数自体が増え、税理士が「予測を読み解いて提案する」役割にシフトしていく可能性があります。資金繰り表作成の実務手順とAI活用の詳細は資金繰り表×AIで予測作成と銀行融資資料に活用で整理しています。

事務所が今週から取るべき3つの対応

事務所が今週から取るべき対応とは、新機能の登場を待つだけでなく、既存顧問先への影響を先回りして確認する動きです。具体的には次の3点が挙げられます。

  • 顧問先の利用状況を確認する: マネーフォワードクラウド会計・確定申告を利用している顧問先がいれば、β機能の利用可否と現時点の予測精度を試験的に確認しておく
  • 既存の資金繰り支援フローと突き合わせる: 事務所が独自に作成している資金繰り予測資料と、AIが出す予測値にどの程度の差が出るかを比較し、精度の傾向を把握しておく
  • 顧問先への案内タイミングを見極める: β版である以上、正式版への移行や機能改善が今後見込まれるため、全顧問先への一斉案内は急がず、まず数社で試用してから展開判断をする

たとえば顧問先30社の事務所であれば、まずマネーフォワードクラウド会計を利用している数社に絞って予測値を確認し、既存の資金繰り表作成業務との差分を洗い出す進め方が現実的です。

既存の資金繰り予測AIツールとの違い

既存の資金繰り予測AIツールとの違いとは、会計ソフトに組み込まれているか、独立した専用ツールかという提供形態の違いです。freee資金繰り予測やCash Radar、Manageboardのような専用ツールは、複数の会計ソフトからデータを取り込める汎用性がある一方、別契約・別画面での運用が必要になります。今回のマネーフォワードの機能は、同社の会計・請求書サービスを既に使っている事務所・顧問先にとって、追加の契約や画面移動なしに予測機能へアクセスできる点が強みです。

事務所としては、顧問先が利用している会計ソフトの構成によって、どのツールの予測機能を軸に資金繰り支援を組み立てるかが変わってきます。マネーフォワードのAI機能全般の活用法はマネーフォワード×AIで税理士業務を効率化、決算数値を提案資料に落とし込む手法は決算分析×AIで顧問先への提案資料を自動生成で解説しています。

よくある質問

Q1. 「資金繰り(β)」機能はいつから使えますか?

2026年9月17日の発表時点で提供が開始されたとされていますが、対象プランや正式な適用範囲の詳細は公式発表内に明記されていません。顧問先の契約プランで実際に表示されるか、まず個別に確認することをおすすめします。

Q2. AIの予測値をそのまま金融機関への提出資料に使えますか?

現時点ではβ版であり、季節変動や臨時の入出金要因を予測モデルがどこまで織り込めているか未知数です。金融機関に提出する資金繰り表は、税理士が内容を確認し、必要に応じて金融機関が見慣れた様式に加工したうえで提出する対応が引き続き求められます。

Q3. この機能が広がると、税理士の資金繰り支援業務はなくなりますか?

なくなるとは考えにくい状況です。予測グラフの作成自体は自動化されますが、予測結果の解釈、資金ショートへの対応策の提案、金融機関との交渉支援といった助言業務は、引き続き税理士の専門性が問われる領域です。

まとめ|マネーフォワード 資金繰り AIの動向を踏まえた対応を

マネーフォワード 資金繰り AI「資金繰り(β)」機能は、会計ソフトへの予測機能の標準搭載が進んでいることを示す一つの動きです。税理士事務所としては、顧問先の利用状況を確認しつつ、予測作成という作業から予測を読み解いて提案するという助言業務へ、資金繰り支援の重心を移していく準備を進める段階にあります。

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