生前の相続対策を税理士に相談するには|進め方と確認事項
「相続はまだ先の話だけれど、何から手をつければいいのか分からない」。事業を営んでいる方ほど、会社の株や事業用資産も絡むため、こう感じることが多いようです。相続の生前対策は、税理士に相談することで論点を整理しやすくなります。ただ、相談の準備や依頼の範囲が分からないと、一歩目が踏み出しにくいものです。
この記事では、相続 生前対策 税理士というテーマで、相談前に整理しておくこと、税理士に依頼できる範囲、確認しておきたい事項をまとめます。なお、税額や節税効果は家族構成や財産の内容によって大きく異なるため、ここでは金額には踏み込みません。
相続の生前対策を税理士に相談するとは
生前対策とは、財産を持つ本人が元気なうちに、将来の相続で起こりうる課題を整理し、備えておくことです。税理士に相談する場合、主に税金面の見通しや、財産の把握・整理の手伝いが中心になります。
生前対策で扱われる主な論点は、次のとおりです。
- 財産の洗い出しと、おおまかな相続税の試算
- 生前贈与を行う場合の制度の確認(贈与税や相続税への影響)
- 事業用資産や自社株の承継の考え方
- 不動産など分けにくい財産の整理
- 納税資金の準備
税金の制度は改正されることがあります。たとえば、生前贈与が相続税の計算に加算される期間の取り扱いなどは段階的に見直されています。具体的な内容は国税庁の最新情報で確認し、自分のケースにどう当てはまるかを税理士に確認すると安心です。
相談前に整理しておきたい5つのこと
相談の時間を有効に使うため、次の点を簡単にメモしておくと話が進みやすくなります。完璧である必要はありません。
- 財産の一覧:預貯金、不動産、有価証券、保険、自社株、事業用資産など。評価額は概算で構いません。
- 家族構成:配偶者、子、そのほか相続人になりうる方。
- 事業の状況:個人事業か法人か、後継者の有無や意向。
- 気になっていること:「納税資金が足りるか」「家族で揉めないか」など。
- 希望する進め方:単発の相談か、継続的な支援か。
財産の中でも、不動産や自社株は評価の方法が複雑になりがちです。資料(固定資産税の通知書、決算書など)があれば用意しておくとよいでしょう。
税理士に依頼できること・他の専門家の領域
相続の生前対策は、税理士だけで完結しないことがあります。税理士の主な役割は税務の計算・申告・相談であり、ほかの手続きは別の専門家の領域になる場合があります。
| 内容 | 主な相談先の例 |
|---|---|
| 相続税の試算・生前贈与の税務確認 | 税理士 |
| 遺言書の作成、家族間の調整 | 弁護士・司法書士・行政書士など |
| 不動産の名義変更(登記) | 司法書士 |
| 保険・資産運用の見直し | ファイナンシャルプランナー等 |
税理士事務所によって、相続税を得意とするところと、法人の顧問を中心とするところがあります。相続の経験が多いかどうかは事務所ごとに異なるため、依頼前に確認することをおすすめします。選び方の視点は、関連記事の「相続に強い税理士の選び方」も参考になります。
初回相談で確認したい事項
初回相談では、相性や進め方を見極める機会にもなります。次の点を聞いてみてください。
- 相続・事業承継の取り扱い経験(件数や、個人事業・法人の別)
- 費用の体系(相談料、試算、継続支援での報酬が別か)
- 他の専門家との連携の有無
- 説明が専門用語ばかりでなく、分かりやすいか
- 連絡の手段や、やり取りの頻度
費用は事務所や財産の規模によって幅があります。見積もりの内訳が明示されるかを確認すると、後からの食い違いを防げます。複数の事務所の話を聞いて比べるのも一つの方法です。
よくある質問
Q. 生前対策は何歳くらいから始めればよいですか。
決まった年齢はありません。事業の承継を考え始めたときや、財産の状況が大きく変わったときが一つのきっかけになります。早めに現状を把握しておくと、選択肢を持ちやすくなります。
Q. 財産が多くなくても税理士に相談できますか。
相談は可能です。相続税がかかるかどうかは、財産の内容や家族構成で異なります。かかるかどうかの確認だけでも、相談の目的になります。
Q. 顧問契約をしている税理士に、そのまま相談してよいですか。
相談できる場合が多いですが、相続は専門性が分かれる分野です。顧問先の税理士が相続に対応しているかを、まず確認してみてください。
Q. 生前対策をすれば、必ず税金が減りますか。
一概には言えません。対策の内容や家族の状況によって結果は異なり、税金が減らない場合や、別の負担が生じる場合もあります。個々の状況は税理士など専門家に相談して判断してください。
まとめ
相続の生前対策は、財産と家族の状況を整理し、必要に応じて税理士などの専門家と一緒に進めるものです。ポイントは次のとおりです。
- 生前対策は、元気なうちに課題を整理しておくこと
- 相談前に、財産・家族・事業・悩みを簡単にメモしておく
- 税理士の担当は税務が中心で、遺言や登記は別の専門家になることもある
- 初回相談では、経験・費用・連携体制を確認する
まずは、財産の一覧を簡単にメモすることから始めてみてください。そのうえで、相続に対応している税理士に初回相談を申し込むと、次の一歩が見えやすくなります。制度の詳細は国税庁の公式情報もあわせてご確認ください。