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少額減価償却資産の特例の基本|中小企業が経費処理で確認すべき考え方

監修・発行: ゼイナビ編集部 約5分で読めます

パソコンや什器、機械などを購入したとき、「これは一括で経費にできるのか、それとも数年に分けるのか」と迷った経験はないでしょうか。その判断に関わるのが、少額減価償却資産の特例です。

この記事では、少額減価償却資産の特例とは何か、どんな会社が対象になり得るのか、経費処理で確認したい点は何かを、税務に詳しくない方にも分かるように整理します。金額や要件は改正で変わることがあるため、具体的な数値は必ず国税庁などの最新情報でご確認ください。

少額減価償却資産の特例とは|仕組みの基本

少額減価償却資産の特例とは、一定の要件を満たす中小企業などが、比較的価格の低い固定資産を購入した年度に、全額をまとめて経費(損金)にできる制度です。

通常、長く使う資産(パソコン、機械、車など)は「減価償却」といって、使える年数に応じて数年かけて少しずつ経費にします。この特例を使うと、対象の資産については購入した事業年度に一括で経費処理できる場合があります。

整理すると次のとおりです。

  • 通常の減価償却:耐用年数(国が定めた使用可能年数)に分けて経費化する
  • 少額減価償却資産の特例:要件を満たせば、取得した年度に全額を経費にできる
  • 適用には、取得価額の基準や、会社の規模などの条件がある

なお、特例を使うかどうかは、利益の状況や資金計画によって有利不利が分かれます。一括経費にすれば必ず得になるとは限らない点に注意が必要です。

最新動向:令和8年度税制改正での見直し

この特例は、令和8年度税制改正で見直しが行われたと公表されています(財務省・国税庁の公開情報、2026年時点)。報じられている主な論点は、次のとおりです。

  • 対象となる資産の取得価額の基準の見直し
  • 対象となる法人の規模要件の見直し
  • 適用期限の延長

適用開始のタイミングは「いつ取得して事業に使い始めたか」で変わります。決算期をまたぐ場合は、どの取扱いになるかを個別に確認する必要があります。具体的な金額や従業員数の基準、適用期限は、国税庁のウェブサイトや最新の法令で必ず確認してください。

対象になるかを確認する3つの視点

対象かどうかは、主に次の3点で見ていきます。

1. 会社(事業者)の区分

中小企業者などに該当するかが前提になります。資本金の額や従業員数、大規模法人との資本関係によって、対象外になる場合があります。青色申告をしていることも要件のひとつです。

2. 資産の価格と使い方

資産の取得価額が基準未満であること、そして事業に使い始めた(事業の用に供した)ことが必要です。購入しただけで使っていない資産は、原則として対象年度に含められません。

3. 年間の合計額の上限

特例には、1年間に適用できる合計額に上限が設けられています。複数の資産を購入した場合は、合計で上限を超えていないか確認します。

経費処理の流れと確認したい注意点

経費処理の手順は、おおむね次のような順序です。

  1. 購入した資産の取得価額(本体価格に付随費用を加えた額)を確認する
  2. 会社の区分や青色申告の要件を満たしているか確認する
  3. 特例を使うか、通常の減価償却にするかを決める
  4. 会計ソフトに仕訳を入力し、決算時に明細を整理する
  5. 法人の場合は、申告書に添付する明細書の記載が必要かどうかを確認する

注意したいポイントは次のとおりです。

  • 消費税の経理方式(税込経理か税抜経理か)で、取得価額の判定が変わる場合がある
  • 少額の資産でも、所有権や使用状況によっては扱いが異なることがある
  • 「10万円未満」など別の少額の扱いと混同しやすいので、どの制度を使うか整理しておく
  • 固定資産台帳への記録や、償却資産税の申告に影響する場合がある

とくに、決算間際にまとめて購入するケースでは、「事業に使い始めた日」が決算日までかどうかが重要です。

税理士に相談したほうがよい場面

次のような場面では、税理士など専門家に確認すると安心です。

  • 会社が中小企業者に当たるか判断しづらい(グループ会社がある等)
  • 購入する資産が多く、上限額との関係を整理したい
  • 特例を使う場合と使わない場合で、決算の利益や納税額がどう変わるか比較したい
  • 改正の適用時期が、決算期との関係で分かりにくい

相談の際は、購入日、金額、使い始めた日が分かる請求書や納品書をそろえておくと、話がスムーズです。

よくある質問

Q. 少額減価償却資産の特例を使うと、必ず節税になりますか?

いいえ。経費にするタイミングが前倒しになるだけで、長期的な経費の総額は基本的に変わりません。利益の状況などによって効果は異なるため、個々の状況で判断が分かれます。

Q. 個人事業主も使えますか?

青色申告をしている個人事業主も、要件を満たせば対象になり得ます。個人の場合の取扱いは法人と細かな点が異なることがあるため、国税庁の案内などで確認してください。

Q. 特例の対象にならない場合はどうなりますか?

通常の減価償却として、耐用年数に応じて数年に分けて経費にします。別の制度(一括償却資産の扱いなど)が使える場合もあるため、あわせて確認するとよいでしょう。

Q. 改正前に購入した資産にも新しい基準が適用されますか?

適用は取得して事業に使い始めた時期で決まります。改正前の取得分には従来の取扱いが残る場合があるため、時期を確認してください。

まとめ

少額減価償却資産の特例は、対象となる会社が比較的価格の低い資産を一括で経費にできる制度で、令和8年度税制改正で見直しが行われています。使うかどうかは、利益や資金繰りを踏まえて判断することになります。

まずは、直近で購入した資産の購入日・金額・使い始めた日を一覧にし、国税庁の最新情報と照らして対象になり得るかを確認してみてください。判断に迷う場合は、税理士など専門家への相談をおすすめします。

出典・参考: 国税庁・財務省の公開情報にもとづく編集部整理(2026年9月時点)

タグ

#少額減価償却資産#減価償却#経費処理#中小企業

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