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年末調整の基本|中小企業が年内に準備すべきことと2026年の変更点の確認ポイント

監修・発行: ゼイナビ編集部 約6分で読めます

「毎年この時期になると年末調整の書類集めに追われる」「担当者が変わったばかりで何から手をつければよいか分からない」——中小企業の経理担当者や、経理を兼任する経営者からはこうした声がよく聞かれます。年末調整の基本を理解しておくと、年内の準備を段取りよく進めやすくなります。この記事では、年末調整の対象者や必要書類、年内にやるべきことの流れを整理します。

年末調整の基本|そもそも何をする手続きか

年末調整とは、会社が毎月の給与から源泉徴収してきた所得税と、その年に実際に納めるべき所得税額との差額を、年末にまとめて精算する手続きのことです。従業員は毎月の給与から概算で所得税が天引きされていますが、生命保険料控除や扶養控除など、年の途中では反映しきれない事情があるため、年末に1年分をまとめて計算し直す仕組みになっています。対象となるのは、原則としてその会社に年末まで在籍している給与所得者で、一定の高額所得者や、複数の会社から給与を受けていて別途確定申告が必要な人など、対象外となるケースもあります。自社の従業員がどの区分に当たるかを迷う場合は、税理士や国税庁の公開情報で確認することが望まれます。

年末調整で使う主な書類

年末調整では、従業員から複数の申告書を回収し、内容を確認したうえで税額を計算します。代表的な書類には次のようなものがあります。

  • 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
  • 給与所得者の基礎控除申告書・配偶者控除等申告書・所得金額調整控除申告書(1枚にまとまった様式が使われることが多い)
  • 給与所得者の保険料控除申告書
  • 生命保険料控除証明書、地震保険料控除証明書などの添付書類
  • 住宅借入金等特別控除申告書(住宅ローン控除を受ける従業員がいる場合)

書類の様式や記載項目は年度によって見直されることがあるため、前年の様式をそのまま使い回さず、その年の最新様式を国税庁のサイトなどで確認してから配布することが大切です。

年内にやるべきことのスケジュール

年末調整は、書類の配布から税額の精算まで複数の工程があり、直前になって慌てないよう、早めに段取りを組んでおくと安心です。

  1. 従業員へ申告書の配布・回収時期を案内する
  2. 申告書と控除証明書を回収し、記載内容に不備がないか確認する
  3. 中途入社者がいる場合、前職の源泉徴収票を回収する
  4. 給与計算ソフトなどで年税額を計算し、過不足を精算する
  5. 源泉徴収票を従業員に交付し、法定調書・給与支払報告書を提出する

回収した書類に記載漏れや添付漏れがあると、確認や差し戻しに時間がかかるため、余裕を持ったスケジュールで案内することが望ましいといえます。

2026年の税制改正で確認しておきたいポイント

令和8年度税制改正では、基礎控除や給与所得控除、扶養親族等の所得要件の見直しが行われる予定であることが、国税庁や財務省の公表資料で示されています(財務省・国税庁の公開情報にもとづく、2026年9月時点の編集部確認)。この改正は2026年分の年末調整に影響する見込みで、扶養控除等申告書などの様式も変更されることが案内されています。ただし、控除額や所得要件の具体的な数値は年度によって公表・見直しが行われるため、本記事では断定を避け、実務にあたっては国税庁が公表する最新の様式・手引きを必ず確認することを前提としています。担当者は、例年の感覚で書類を確認すると判断を誤る可能性がある年であることを踏まえ、早めに最新情報を収集しておくとよいでしょう。

中小企業が押さえておきたい注意点

年末調整を進めるうえでは、次のような点にも注意が必要です。

  • 申告書に記載された扶養親族の所得要件は、年度ごとに見直されることがあるため、都度確認する
  • 中途入社・退職者が多い会社は、源泉徴収票の回収漏れが起きやすいため、早めに声をかける
  • 副業をしている従業員は、年末調整だけで完結せず、別途確定申告が必要になる場合がある
  • 給与計算ソフトを使っている場合も、年度ごとのアップデートが適用されているか確認する
  • 税務上の判断に迷う個別ケースは、自己判断せず税理士など専門家に相談する

税理士・社労士に相談すべきケース

年末調整は給与計算業務の一部として社内で完結させている企業も多いですが、次のようなケースでは、税理士や社労士に相談することで負担を軽減できる場合があります。

  • 顧問税理士がいない、または年末調整の相談先が明確でない
  • 従業員数が多く、確認作業に時間がかかりすぎている
  • 中途入社・退職者の書類確認や、住宅ローン控除の初年度・継続年で対応に迷う
  • 税制改正の年で、社内だけでは最新情報の確認に不安がある

顧問税理士がいる場合は、年末調整のチェックまで対応範囲に含まれているかを事前に確認しておくと、当日になって慌てずに済みます。税理士を探している場合は、給与計算や年末調整の対応可否を含めて比較検討するとよいでしょう。

よくある質問

Q1. 年末調整と確定申告はどちらもする必要がありますか? 多くの給与所得者は年末調整だけで所得税の精算が完了しますが、副業収入がある場合や、医療費控除など年末調整で扱わない控除を受ける場合は、別途確定申告が必要になることがあります。個々の状況によって異なるため、不明な点は税理士に確認することが望まれます。

Q2. 年末調整の書類を従業員が期限までに提出しない場合はどうなりますか? 提出が遅れると、会社側の精算や法定調書の提出スケジュールにも影響するため、早めに案内し、リマインドを行うことが望ましいといえます。どうしても間に合わない場合の対応は、税理士や社労士に相談しながら判断するとよいでしょう。

Q3. 年末調整の様式は毎年同じものを使ってよいですか? 様式は年度によって見直されることがあるため、前年のものをそのまま使い回すのではなく、その年の最新様式を国税庁の公開情報などで確認してから配布することが大切です。特に税制改正がある年は注意が必要です。

Q4. 経理担当者が1人しかいない会社でも年末調整は対応できますか? 給与計算ソフトを活用したり、外部の記帳代行・給与計算代行サービスや税理士に一部業務を委託したりすることで、負担を分散できる場合があります。自社の体制に合わせて、無理のない進め方を検討することが望まれます。

まとめ

年末調整は、対象者の確認、必要書類の配布・回収、税額の精算という流れを理解しておくことで、年内の準備を段取りよく進めやすくなります。特に2026年は税制改正により様式や確認項目が変わる可能性があるため、例年どおりの感覚で進めず、国税庁の最新情報を確認する姿勢が重要です。まずは自社で使っている年末調整の様式が最新のものかどうか、確認するところから始めてみてください。

出典・参考: 国税庁の公開情報および令和8年度税制改正に関する公表資料にもとづく編集部整理(2026年9月時点)

タグ

#年末調整#中小企業#経理#税制改正

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